成果とはなにか
アフィリエイトという言葉を知って、いろいろと読み漁るようになったころ、よく見かけたのが「ブログに広告を貼るだけで稼げる」という言葉だった。
たしかに、広告リンクを貼るだけなら簡単に思える。それなら私にもできるかも、そう思わせるフレーズだった。
でも、少しずつ調べていくうちに、そんな単純なものじゃないことが見えてきた。貼るだけでお金になるわけじゃなかった。「成果報酬型広告」という言葉の“成果”という部分に、いろんな意味が詰まっていた。
アフィリエイトは、成果が出たときにだけ報酬が発生する。それが「成果報酬型広告」という言葉の意味だった。つまり、リンクをクリックされたくらいでは、基本的にお金は入ってこない。
たとえばクレジットカードの広告を貼ったとする。誰かがその広告をクリックして、カードを申し込む。それだけでは報酬はもらえない。そのあと審査が通って、実際にカードが発行されて、そこまでいって初めて“成果が確定”する。
つまり、「申し込み→審査→カード発行」という一連の流れをクリアしたときだけ、成果として認められる。途中でやめられたら、成果にはならない。その結果、報酬も入らない。
広告を「貼る」だけではなく「伝える」
この仕組みを知ったとき、思った以上に地味な世界なんだと思った。貼るだけじゃなくて、その商品がどんなものか、どんな人に合っているのか、なぜこれを選んだのか。そういうことを、ちゃんと伝えて初めて、行動につながる。
実際、自分が買い物をするときのことを思い出してみた。ただ広告が貼られているだけのページよりも、「私もこれ使ってみてよかったです」とか、「ここはちょっと注意が必要かも」とか、そういう“人の声”があるほうが安心して決められる。
アフィリエイトも同じだった。ただ紹介するんじゃなくて、ちゃんと“その向こうにいる人”に届ける必要があった。
自分が動いてわかったこと
セルフバックでクレジットカードを申し込んだとき、報酬が確定したという通知がきた。あれが、私にとっての“初めての成果”だった。
そのときは自分の申し込みだから、紹介はしていない。でも、自分の行動がちゃんと条件を満たして、それによって報酬が発生したという事実は、すごくリアルだった。
人に何かをしてもらうというより、自分の動きでお金が生まれる感覚。それが、「成果」という言葉の重みを教えてくれた。
この仕組みを知ってからは、「広告を貼るだけで稼げる」という言葉に対して、少し違う気持ちで見るようになった。たしかに貼ることはできる。でも、本当に報酬を得ようと思ったら、それだけでは足りない。
伝える力と、つながる先
たとえば誰かがブログを見に来て、そこに貼ってある広告を見つける。その人が「ちょうど探していた」と思えば、リンクをクリックしてくれるかもしれない。
でも、それが起こるためには、「ちょうど探していた」と思わせるような文脈が必要だった。「この人の言ってること、ちゃんとしてるな」って思ってもらえる書き方も必要だった。
つまり、広告を通して人とつながるには、「伝える力」が求められる。これは、売り込みの力じゃなくて、共感を作る力に近いのかもしれない。
だから、アフィリエイトは貼るだけじゃない。書いて、考えて、届けて、それでやっと報酬になる。成果報酬型って、言葉はかたいけど、仕組みとしてはとても人間的だった。